なぜエルニーニョはコロンビアコーヒーの生産を上げるのか?
コロンビアはコーヒーを生産するにあたって火山灰質の土壌、優れた生産技術に非常に恵まれているということはすでに皆さまもご周知のところかと思いますが、異常気象のひとつである「エルニーニョ」が意外にもコロンビアコーヒーの生産にとってはプラス効果である、という事実はあまり知られていないのではないでしょうか?
エルニーニョとコーヒーの生産の関係をご説明するにあたって、まずふまえておかなければならないのは「エルニーニョ現象は全ての国で一概に影響が出るわけではない」という点です。
また、同じコロンビア国内でも地域によってその影響には差異があります。
例えばアメリカ合衆国、ブラジル、インド南部、ペルーなどでは降水量が増えますが、インドネシアをはじめ、東南アジア、インド北部では逆に降水量は減少します。
次に、コロンビア国内ではどうでしょうか。エルニーニョが起こると大部分のコーヒー生産地では日照量が増え、気温も理想的なレベルまで上昇します。降水量はアマゾン地域では増加しますが、コーヒー生産地が多く集まるアンデス地方では減少します。
日照量が増えることでコーヒーの木の成長や開花が促され、プラスの効果を生みます。降水量が減少しても土壌に含まれる水分が充分であれば実の形成や成長にも問題はありません。特にコロンビアでは保湿に優れた火山灰質の土壌を使用しているところがほとんどなので、コーヒーの栽培に支障はないのです。
近年セニカフェ(コロンビア国立コーヒー研究センター)では気候の変化について、その対策の研究が重ねられてきています。コーヒー栽培にとっては命取りにもなるさび病や害虫も技術支援スタッフの指導の下、早期対策をもって被害を最小限にとどめることができました。エルニーニョについても必要な水の確保、雑草の処理、他の一年生作物と合わせて栽培するなど、必要な対策がとられています。
ただし、エルニーニョ現象がとても強力であったり、長い期間続いたりすればコーヒー栽培地域でも干ばつが起こってしまう可能性は否定できません。そうなると実の成長にも悪影響を与え、虫害も増えるおそれが出てきますが、オーストラリア気象局によれば、エルニーニョの影響は将来的に弱くなってゆく、という予測がされています。
それでは、Hasta luego✋