おかげさまでFNC東京事務局は、
2022年をもちまして創立60周年を迎えました。
1961年、日本がまだコーヒー消費国ではなく、世界経済において再び注目され始めていた頃、FNCは日本とアジアにコロンビアコーヒーの消費を促すために東京事務局の設立を決定しました。FNC 東京事務局の開設は日本・コロンビアの国家間関係において重要な転機となりました。以来、両国は友好的な関係を構築し、コーヒーは経済活動の主要な位置を占めています。
高度経済成長により日本人のライフスタイルも変化しました。オリンピックと同年、東海道新幹線開通。当時、世界で一番速い列車となりました。
FNC 東京事務局は開設以後、日本におけるコロンビアの重要な機関として大使館と共に協力してきました。1970 年にはFNC の支援と働きかけにより、コロンビアは初めて大阪で開催された万国博覧会に参加しました。万博の期間中にFNC はエメラルドマウンテンコーヒーの販売を始めました。
万博の期間中にFNC はエメラルドマウンテンコーヒーの販売を始めました。大阪万博で得られたエメラルドマウンテンコーヒーの人気に伴い、FNC はエメラルドマウンテンコーヒーを日本や他の国で商標登録しました。後にこのブランドは日本の市場で正式に発表され、今日ではコロンビア産スペシャルティコーヒー、そして最も人気のある缶コーヒーの主原料として知られるようになりました。
1973年3月、コロンビアのチンチナ市で年間1,800 メトリックトンものインスタントコーヒーの生産力を持つ、FNC フリーズドライコーヒー工場(現ブエンカフェ)の稼働が開始されました。1974年にキャンペーンの一環として初めてブエンカフェのインスタントコーヒーが輸出された国は日本でした。翌年1975年には、北洋商事株式会社(現三菱食品株式会社)によってインスタントコーヒー『ブエンディア』の輸出が始まりました。1970 年は2,970 トン、1980 年には6,333 トンと、70 年代に日本のインスタントコーヒー輸入量は大きく成長しました。
『ブエンディア』という商品名は日本人にも発音しやすいよう、日本市場を考慮して命名されました。
1980 年には日本の生豆の総輸入量は、10 年前と比較すると117%増しの2,912,000 袋になりました。そして同時期にコロンビア産生豆の輸入量は207%まで増え(1980 年は393,000 袋)、コロンビア産は日本市場の13.5% の割合を占めるようになりました。この年、コーヒー消費の促進とコーヒー産業の発展を目的に全日本コーヒー協会(AJCA)が発足されました。全日本コーヒー協会は1983 年に、日本での『コーヒーの日』を10 月1 日と定めました。以前からFNC 東京事務局がコロンビアコーヒーのプロモーション活動を行ってきたのも、この日でした。
1984年8月、FNC東京事務局は西麻布のオフィスから、現在のコロンビア大使館隣りの上大崎へと移転しました。
1989 年の夏、FNC 東京事務局は美家古食品株式会社(現キャピタル株式会社)の協力によって、プレミアムエメラルドマウンテンコーヒー(Premium Emerald Mountain® coffee)を発売しました。パッケージデザインにもこだわり、お中元やお歳暮などの贈物となるようにデパートでの展開が戦略的に行われました。三菱商事株式会社の協力によって、エメラルドマウンテンは高品質なコロンビアコーヒーとして急速に認識されるようになりました。
日本の生豆の総輸入量は480 万袋にまで増加し、10 年前の13.5%であったコロンビア産生豆のシェアは20% にまで拡大しました。1990 年代も日本のコーヒー消費量及び輸入量は拡大を続けました。1995 年、FNC本部はスペシャルティコーヒーの発展と促進を目標とした『スペシャルティコーヒープログラム』を設置しました。同プログラムの導入とFNC 東京事務局の働きかけにより、日本は商品の特色が価格に反映されるコロンビアスペシャルティコーヒーの最も重要な市場となりました。
日本のコーヒー業界の専門家にコロンビアコーヒーの品質とコロンビアでの組織活動をお伝えする為、FNC は『マイルドコーヒースペシャリスト養成講座』というトレーニングコースを2004 年から実施しています。現在までにほぼ毎年実施され、延べ200 名以上の商社や飲料産業、焙煎業などのコーヒー専門家たちがコロンビアでこのコースを修了し、コロンビアコーヒーをより身近で体験して頂いています。
この年、FNCはコーヒーに特化したイベントとしてアジア最大の国際見本市、SCAJ(ワールド スペシャルティコーヒー カンファレンス アンド エキシビション)に出展を始め、長年重要なスポンサーを務めています。さらに近年ではバリスタチャンピオンの副賞として、コロンビアのコーヒー産地への招待を行っています。
コロンビアは違法作物撲滅に向けた国家キャンペーンの一環として、「Forest Ranger Families Program」を小規模農家向けに実施しています。Forest Rangerとは「森の守り人」のことで、小規模コーヒー栽培農家を支援する内容です。2008年7月、日本からは三菱商事株式会社がこのプロジェクトに協力を開始し、10年間の計画で農業技術向上・インフラ整備・環境保全等の小規模農家支援に貢献しています。
2011年6月、コロンビアのコーヒー生産の文化的景観が、コロンビア文化省やFNCなどの機関の懸命な働きによって世界遺産に登録されました。登録された地域は4つの州内、47の地区から形成されており、24,000の農園があり、約80,000人が住んでいます。ユネスコはこの地を生産性と文化的景観を兼ね備えている見習うべき地域だと評価しています。山間部という栽培には少し困難な地形をサステイナブルな生産環境に整え、美味しいコーヒーを育てるために何世代にもわたる農家の人々の努力のおかげで、コーヒー栽培が地域の経済・社会・環境の中心となりました。
Juan Valdez® Café「フアン・バルデス®カフェ」はコーヒー生産者が生産から販売までを自ら手がける、世界でも類を見ないコーヒーブランドです。コロンビア国内では最も認知度の高いコーヒーのブランドで現在23ヶ国、合計5,800店舗で販売されています。取り扱うコーヒーは全て適正価格で取引され、利益はコーヒー生産者へ還元。農村地域の生活向上につながるというコンセプト。このフアン・バルデス®カフェの商品が、この年、日本に初上陸しました。
2022年、コロンビアコーヒー生産者連合会(FNC)東京事務局は創立60周年を迎えました。
FNCでは 経済・環境・社会・ガバナンスなど多角的な視点から、持続可能で 発展的なコーヒー生産を行うべく力を入れております。2021年4月には、国連の持続可能な開発目標(SDG)への貢献により、ロンドンに拠点を置く英国・コロンビア商工会議所が主催するブルコル責任あるビジネス賞の2021年度版を受賞しました。(参考ページ:英語)
東京事務局においては 日本とアジアのマーケットにさらに寄り添い、皆様の御期待に添えますよう一層努力して参ります。
FNCでは設立当初より、コーヒーを短・中・長期にわたって収益性の高いビジネスとし、天然資源の保護を常に優先しながら、コーヒー生産者の家族の経済的・社会的発展に貢献することを目指しています。私たちのサステナビリティの提案は、経済・環境・社会・自治管理の4つの基本的な次元で展開され、それぞれが特定の戦略的目標を持っています。