アラビカ種の価格下落により、コーヒー生産者の取り組みが懸念される
コーヒー愛好家は喜んでいるでしょう。アラビカ種の価格下落に伴い、今週のみ、米国のロースターJMスマッカーの主力ブランドであるフォルジャーズの値段が引き下げられた。
また、サビ菌(スペイン語:「ラ・ロヤ」La Roya)により、中米のコーヒー生産者が大きな影響を受けている。
アラビカ種市場にも影響が与えているが、コスタリカ、グアテマラ、エルサルバドルなどの国々の中小農家が一番打撃を受けている。
コスタリカ当局は、コーヒーの木のサビ病菌に対する非常事態を宣言した。まだ確認されていないが、グアテマラやエルサルバドルでの損失も重要な引用であると業界では言われている。
コロンビアにある50万世帯のコーヒー生産者を代表する、コロンビアコーヒー生産者連合会のルイス・サンペル氏も同じ経験をした。
最高品質のアラビカ種を生産するコロンビアでは、5年前にサビ病菌の感染に見舞われた。サビ病菌は全農園の約40%に影響し、コーヒー生産者は大規模なコーヒーの木の植え替えに着手した。
サビ菌を克服するために、コロンビア政府の援助を受け、コロンビア生産者連合会はサビ菌に強い品種の植え替え、肥料や種物の提供、教育研修に約14億ドルを費やした。“過酷な作業でした”とサンペル氏が振り返る。
コロンビアでは気候変動や、ラニーニャ現象が引き起こす湿度や降雨量の増加が、サビ病菌の拡散につながったと言われている。
4年間で予定数の約半分の木の植え替えが完了した。2015年には、目標とする85〜90%の植え替えに達するとコロンビア生産者連合会は確信している。
しかし、アラビカ種の価格下落は生産者にとっては苦境を与える。“価格の下落はコロンビアのコーヒーの木再生プログラムや、中米のサビ菌減少の戦いにダメージを与えます”とサンペル氏が言う。アラビカ種の価格は約$1.40ポンド前後を変動している(2011年度平均約$2.55、2012年度平均約$1.76)。
サンペル氏によると、コロンビア市場のコーヒー価格下落により、今年予定されていた植え替え作業が12万ヘクタールから10万ヘクタールに変更された。
中米諸国の多くの同業者が、サビ菌を経験したコロンビアを研修のために訪ねているが、コーヒー価格下落に伴い、低コストの同様プログラムが必要とされる。
中米のコーヒー生産量は全世界の約17%を占めているが、生産コストが比較的高いため(推定1ポンド$1.50)、現在のコーヒー価格では復活は長引くと予測される。
こちらは、フィナンシャルタイムズに載った記事の和訳になります。英語版のオリジナル記事は下記より確認できます。
http://www.ft.com/intl/cms/s/0/bcbcfe64-7abf-11e2-9c88-00144feabdc0.html#axzz2MGLlhMOe