フードペアリングとは、簡単に言うと 食べ物や飲み物の相性のこと。 特にワインの世界では「マリアージュ」という言葉がよく使われています。
近年、ワイン以外の食べ物と飲み物の相性も注目され、FNCではベルギーのFoodpairing社とコロンビアコーヒーに含まれている味や成分の分析をして参りました。これにより、コロンビア各地のコーヒーがどのような食材と相性が良いかを科学的に知ることが出来るようになりました。
まず対象となる食材の構成要素を割り出し、次にその他の何種類もの食材と比較して、共通する要素を抽出します。そして、フードペアリング・ツリーもしくはマリアージュ・ツリーと呼ばれる図式をつくります。この図は最高の組み合わせを探す手助けになります。
対象となる食材の要素を分析したら、また何百という食材と構成要素を比較して、同じ要素を持ったものを書き留めたのがこのツリーです。対象となった食材を中心に置き、その周りに同じ要素を持った食材を載せます。中心から伸びる枝が短い食材が、より相性が良いとされています。
FNCは”Foodpairing”というベルギーの会社と共に数ヶ月間活動してきました。この会社は、バリスタやシェフ、ソムリエ達に私たちの商品、コロンビアコーヒーと様々な食材とのマリアージュを提案し、彼らにインスピレーションを与えるツールを提供しています。
コーヒーをどんな時でも楽しめるように、新しいコーヒープロファイルを提供していくのもコロンビアコーヒー及びFNCの役目です。そして今回、このように業界のトップである企業と一緒に活動することが出来ました。
今回の分析によってコロンビアコーヒーは非常に柔軟性の高い食材で、 近年でその楽しみ方も変化していると分かりました。コロンビアコーヒーは多くの構成要素を持っており、 相性の良い食材と組み合わせることで更なる楽しみ方が誕生します。
この結果は様々なところで用いられます。例えば新しい食を生み出しているシェフやソムリエ、新しいドリンクやお店におくフードを考えているバリスタのヒントになります。分析結果は、コロンビアコーヒーの楽しみ方を広げ、新しい発見や経験につながります。
数ヶ月間に及ぶ分析により、コロンビアコーヒーの代表的な地域の要素やアロマ、フレーバーを導き出すことに成功しました。地域のコーヒーの特徴と、それぞれに相性の良い食べ物や飲み物をご紹介します。
シエラネバダは海沿いに切り立つ山地にあります。この土地では先住民や開拓時代の入植者の子孫達が代々コーヒーを育ててきました。また、シエラネバダでは比較的初期より、環境保全とコーヒー産業が両立されています。
この地域のコーヒーは標高900〜1600mで生産されます。
サンタンデールはコロンビアの北東に位置しており、地理的に最高品質のコーヒーを作るのに適した条件が揃っています。この地域でのコロンビアコーヒーの生産は比較的初期、19世紀より始まっています。
サンタンデールでは長期的な干ばつに見舞われるため、コーヒーはシェード(日陰)栽培されています。
カウカコーヒーはキャラメル風味が特徴です。バランスのとれた味、強い酸味、ミディアム・ボディ、すっきりとしたなめらかな口当たりに甘くフルーティなフレーバーが楽しめます。
安定した気候と火山性の土壌のため、高い品質基準のスペシャルティコーヒーを生み出す土地として知られています。
ナリーニョのコーヒー生産地は標高2300m、コロンビアの他の生産地と比べて気温が低い地域で生産されています。
気温が低い環境では、植物は自分の中に糖分を多く生産するので、ナリーニョ産のコーヒーは独特の甘さを持っています。
ウィラはコロンビアの南西に位置しています。この地域のコーヒー生産者達は地域ごとに組合を作り、16,000ヘクタール以上もの土地を耕し、コーヒーを育てています。
ウィラ産のコーヒーは味のバランスが良く、甘く、ワインのような味が特徴です。酸味はミディアムから高めでキャラメルのような、フルーティな味が楽しめます。
ユネスコによって世界遺産に登録された「コロンビアのコーヒー産地の文化的景観」地域は、アンデス山脈の麓、中央から西武にかけて位置しています。カルダス、キンディオ、リサラルダ、バジェ・デル・カウカなどコロンビアの4県47地区を含み、約2万4000の農園でコーヒーが生産されています。
コロンビアを代表する、由緒あるコーヒー生産地です。
* ボディ:コーヒーの「コク」、「厚み」のことを「ボディ」と表現します。コーヒーがもつオイル性、重さに応じて「重め(フルボディ)」、「ミディアム」、「軽め(ライトボディ)」のように分類されます。コロンビアコーヒーではミディアム〜重めのものが多いです。
* 酸味:コーヒー豆がもともともっている「酸味」のことをいいます。新鮮でないコーヒーを「酸っぱい」と感じることがありますが、これはコーヒー独自の酸味とは違います。時間が経ち酸化してしまったコーヒーの酸っぱさは「美味しくない」と感じがちですが、もともとコーヒーの豆が持っている酸味は柑橘系の風味をともなう、すっきりとした、快い酸味です。
* フレーバー:コーヒーを口に含んだときに感じる風味とアロマを「フレーバー」といいます。チョコレート、フローラル、柑橘系、フルーティ、中にはワイン風味、と表現されるものもあります。
※味の好みには個人差がありますのでご参考程度にお楽しみいただければ幸いです。
スペインのシェフ、パコ・ロンセロ氏とフードペアリング社の代表、バーナード・ロース氏がコロンビアコーヒーの生産地を訪れます。
ウィラ産コーヒーと相性のよい食べ物は?コーヒーに合う、簡単なレシピのご紹介も。
シエラ・ネバダ産コーヒーと相性のよい食べ物は?コーヒーに合う、簡単なレシピのご紹介も。